昨日も北関東は夏を思わせる暑い日でした。都会をはずれた場所(=イナカ)でも、ヒートアイランド現象とまでは行かなくても、確実に街や建造物の放熱機会を奪われていると思われます。そこで、北関東のある建築士が考えた家が、これ。
部分だけ見てもわかりづらいのですが、これは屋根上です。屋根上を、少し角度をつけて水はけを図るのは、たぶん常識。その頭頂部にパイプを匍わせて、そこから散水。これで、屋根掃除もラクラクっ!! ……という訳ではなく、夏のエアコンを弱めに使うために、屋根から建物を冷やすらしい(写真は試作品)。この建築士は、緑化住宅を造ってみたり、そーゆーのが嫌いではないらしい。
この話を聞いて思い出すのが、やぱし打ち水大作戦でしょう。わたくし、都会の育ちなのですがどちらかというと山の手におりましたので、打ち水なんてどこかよその世界のもののように感じていました。そうやってオトナになりまして、数年前から始まった打ち水大作戦を知り、イナカの都会で初めて打ち水をしてみました。ばかですね。
そして、その結果、4リットル程度の台所の余り水をベランダにまきましたところ、気温が約2℃下がりました。これは、実測値です。打ち水大作戦本体では、かつての川沿いにみんなで並んで打ち水をして、航空サーモ写真撮って川を作ってみたりしているようです。また、やり方も解説しています。
【平成版打ち水イロハ】
【イ】まずは水を入れる容器を用意すること。家の中のものから選ぶこと。
【ロ】お風呂の残り湯、エアコンの室外機にたまった水、雨水など二次利用水を使うこと。
わざわざ水道の水を つかうのはブー。
【ハ】ひしゃくがなくとも、手でバシャバシャ。 じょうろやペットボトルで水を打つもよし。
日射に気をつけること。できれば帽子を着用。
【ニ】路面だけでなく、屋上やベランダでも、「壁打ち」でも、室外機でも、日向でも日陰でも効果あり。
【ホ】すずしい風を感じたか確認すること。気持ちよかったら、毎日つづけること。
これのポイントは、2次利用水を使うことと、体を使うこと。実際に手でまくと、手が水に冷やされて自分がちょっとだけ涼しくなります。マジです。それと、エアコンの室外機にも水をかけろ、と言っているのも平成の時代にマッチしているかも。室外機はいわゆる熱交換なので、それが冷たいとエアコンの効きもよくなるそうです(もちろん、室内機のフィルタの掃除は必須!!)。
京都議定書はどうでもいいけど、今年も打ち水をして涼んでみよう。
写真の家の話に戻りますが、水源は地下水を利用する予定だったそうですが、クライアントの意向により屋根材が変更になり、鉄分を多く含む当地の地下水は利用できなくなったので水道水をまくことになったそうです。水道水でも、計算上はエアコンの電気代と鑑みて、出費と電力消費を抑制できるようです。