地下迷宮を題材にしたSF小説を、見かけたことがある。読んだことがあるかどうかは定かではないけれども。また、ひとたび大戦争となると、地下秘密基地が存在していたことを示す文献もある。現代においても、市民が知らないだけで実際には大きな地下シェルターが存在するかもしれないとかいう都市伝説がある。そのくらい、地下は宙よりも謎めいた場所であると言える。
そんなことは後から思いついたことだが、栃木に行く機会があったので、大谷石採石場跡に行ってみた。その一部は大谷資料館として、見学できる。
平成元年頃に立て続けに陥没したりで、その空洞の存在は知っていたが、まさかこんなに巨大な空間が広がっているとは、想像していなかった。たぶん人並みに空洞は見てきたと思うが、こんな空間は、たぶん他には存在しない。トンネルを掘るのだって一仕事である。黒部関電トンネル、関越清水トンネル、青函トンネル……。それが、何で石を採掘するという目的だけにこんなに簡単に地下空間が創造できてしまうのだろう。不思議だ。
この巨大な地下空間は、戦争にも利用されたようだけれども、ほんと、飛行機だって作れるサ、っていうくらいに大きいなんて、我が目を疑いたくもなる。
また、鍾乳洞なども同じような条件だと思うが、洞内の温度が年間を通してあまり変化無く、5℃〜12℃くらいということらしい。そして、その広さを利用し、過去には政府掌握の米を預かったりしていたらしい。表示にはみかんなども貯蔵に向いているというようなことが書いてあったような気がするが、宇都宮って、みかんの産地だっけ?
でも、現在でも、ビールケースや清酒ケースが積まれている。なんでこんな所にこんなものが?? と思ったが、きっとどこかの預かり品なのだろう。このシケた施設の所有品にしては、量があまりにも多すぎる。そもそも、アルコール類を所有する意味など無い施設なのだから。
それにしても、広かった。見学できる部分だけでもだいぶ広いが、それの何十倍も何百倍も拡がっていると思っても、上手に想像できない。
【リンク】大谷資料館