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ホスピタリティを考える


永六輔がラヂオで何度かしゃべった内容なんだけど。

喫茶店でロシアンティを頼んだら「ない」と言われ、「メニューに紅茶とジャムトーストがあって出来ないわけがない」と言ってもダメで、「ジャムとトーストを別に持ってきてくれたらいい」と言ってもダメで、「ジャムトーストにつけるジャムをうっかり紅茶に落っことしたやつとトーストを持ってきてくれればいい」と言ってもダメで、ごりごり言うとウェイトレスが泣き出して、店長が出てきて「メニューにないものは出来ません」と言うから、何も頼まずに帰った。

「こういうところを出来るようになるのが真のホスピタリティだ」

要は、「今回だけ、ナイショですよ」とか言ってウェイトレスがちょっとやってくれるだけでいいのに、なんていうことらしいのですが……相手によると思います。

だいいち、見知らぬ一見の客にこんなこと言われたって絶対に断るし、そもそも永六輔だなんてこんなキモいオバオジサンがぐちゃぐちゃ訳わからんコトを言ったら気味悪がるのは当然でしょうっ!!……っていう部分を、永六輔は完全に見落としています。

自分がどれだけ偉いと思ってるんだか、清廉潔白で純情な紳士だと思ってるんだか、高名な有名人だと思っているんだかは知りませんけれども、そういうちょっとしたワガママを聞いてもらうためには、せっせと通ったお店で店長とか店員とかと仲良くなって……その上で控えめに要求すべきものですね。それでも店としては断りたい時だってあるわけだ。その辺は、客と店員の駆け引きですね。

客から見たこの態度は、確かにホスピタリティに欠けると言えないこともないと思います。でも、店から見た永六輔の図々しい態度は、「客は金を払えば何を要求してもいい」と言っているのに限りなく近いと思われます。礼儀とかマナーとかホスピタリティとかコーテシーとかは、相手があってのモノなので、お互い気持ちよく過ごすために、お互いが謙虚に生きて行くのがよいのではないかと思うのです。

蕎麦茶を飲みながら、ちょっと思い出したので吐き出しておきます。


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