あまりにも寒くて、余って自由時使える時間をすべて散歩に費やすのもどうかと思った日に「そんな日は映画鑑賞に適している日ぢゃないですか」っていう解決法を見いだした。迷子の警察音楽隊を観ることに。イスラエル映画って観た記憶無いし、そもそもニッポンでイスラエル映画が紹介されたこともほとんど無かったのではないかと思います。でも、第60回カンヌ国際映画祭ある視点部門で「一目惚れ賞」を受賞したことで急に注目されたそうです。
8人編成の音楽隊が、イスラエルの《ペタハ・ティクバ》にできたアラブ文化センターの記念演奏に行くはずだったのに、何故か《ベイト・ティクバ》に降り立ってしまう。詳しくは知らなくとも、何となく理解できるのは、イスラエルとエジプトって、それほど仲良かったっけ? ってこと。そして、その文化ギャップの中に物語が発生するのだろうということ。
ところで、ベイト・ティクバってどこーっ!! もしかして、架空の地名? ペタハ・ティクバは、テルアビブに近い都市だ。
たぶん、イスラエルとエジプトの関係をよく学習しておけば、もっと楽しかったことでしょう。でもそれについてどこでどのように知識を得たらいいのか、そこからすでによくわかりません。もし簡単に学習できるおすすめ図書なんかをお持ちの方は、ご紹介願いたい。
一目惚れ賞獲得の理由は、観ればわかるでしょう。一目惚れなんだから。
この映画を見ると、「やはり庶民は庶民なのだ」という気持ちにさせられます。国境を越え、政府や宗教や言葉が違っていても、人間は人間同士で、庶民は庶民同士であるわけです。
このことは、以前に旅行の仕事をしていたときに、かなり感じました。国境って何のためにあるのだろう? って。あるいは、誰のためにあるのだろう? って。国境なんて、人数を確定して税金を集めるためにあるようなもので、つまりそれは政府とかのためにあるものであって、ヒトのためにあるわけではないんですね。不思議。
ちなみに、作中でエジプト人たちはアラビア語で、イスラエル人たちはヘブライ語で話しますが、お互いが交流を持つために片言の英語を使います。映画作品なのでそこそこ監修されている英語とは思いますが、それでも発音はアラビア語なまりかヘブライ語なまり。実際には、こんなもんです。国際交流って。
いづれにしても、作中の発言には字幕が付きますが、ストーリーに大きく関係していない看板などの表示には当然ながら字幕が付きません。ヘブライ語の看板表示たち……何て書いてあったんだろう。今からにわかに勉強したとところで、映画に出てくる看板が読み取れるようになるのにどのくらいの期間が必要なのか、想像したくないです。ニッポン語だって読み取れないことがあるんだから。
対人関係にお悩みの方に、おすすめです。