1983年に開催されたあかぎ国体のマスコットとして、漫画家馬場のぼるさんが描いた「ぐんまちゃん」。著作者馬場のぼるさんの意向により、原画として提示された2ポーズしか使用が認められていません。それって超不便じゃん!! ということで、群馬県の職員がゆうあいピックのキャラクターにゆうまちゃんというキャラを描き、以降、コトあるごとにいろいろなポーズ、いろいろな衣装、いろいろな家族構成で描かれ、使用されている。
権利の問題
このぐんまちゃんとゆうまちゃんを説明するときに「ゆうまちゃんは県職員が描いたので著作権が無い」とか「県職員が描いたので著作権フリー」っていう言い方をするヒトがたくさんいますが、著作権が無いなんてコトは無い。職員が描いたらフリーだということもない。著作者は著作権を放棄したか、放棄させられたか、放棄しないけれども群馬県が発展するための使い方に関しては口を出さないのか、そんなところだと思います。県職員が描いたら著作権が無い、なんて言い方、やめるべきです。(追記:移譲したようです)
かといって、ゆうまちゃんの使用を制限すればまた有名漫画家馬場のぼる翁が描いたぐんまちゃんと同じコトになっちゃいますから、誰かが権利をひとり占めしないように仲良くしてもらいたいものです。
ゆうまちゃん、改名の難
ところが、群馬県民にゆうまちゃんとして長らく親しまれたぐんまちゃんは、今月2008年7月から「二代目ぐんまちゃん」と改名したそうです。群馬県のみなさーん、知ってました?
群馬県が東銀座(銀座5丁目、歌舞伎座すぐ近く)のビルの2階に、ぐんま総合情報センター「ぐんまちゃん家」(2022年廃止)を作ったことから、様子がだんだんおかしな方向に動き始めていたのですよ。群馬県民には内緒で。そして、ご都合主義なお役人様たちが考えたのは、こんな流れでしょう。
- 県内から、群馬県のゆるキャラ「ゆうまちゃん」を使ってPR効果を上げよう
- ……っと、待てよ?「ゆうまちゃん」って県内では有名だけど、県外のヒトに「ゆうまちゃん」っつって通じるのかよ?
- じゃあ、群馬県の不良在庫資産「ぐんまちゃん」を復活させよう。
- よっしゃ、それじゃ名前も「ぐんまちゃん家」でいいな(一応、公募)
- 県民に親しまれているゆうまちゃんの存在もあるし、「ぐんまちゃん家」では、ぐんまちゃんもゆうまちゃんも同居だね
- それにしても、2ポーズしかないのは、使い勝手が悪いなー
- ゆうまちゃんの名前をぐんまちゃんに改名しちゃえば?
- それ、グッドアイディア ←いまここ
青森県出身で群馬に縁がないと思われる漫画家が、姓が「馬場」というだけで群馬県の発展のために寛大になるとは考えにくい。でも1983年当時だったら、群馬県出身漫画家あだちさんとか、忙しすぎて群馬県のことなんて考えてくれなかったかもしれない。それでも、群馬に縁があるヒトに依頼しておけば、こんな混乱も起こらなかっただろうに──お役人様的哲学のツケのような気がしてならぬ。
ちなみにこのゆるキャラゆうまちゃんは、先日終了した緑化フェアでも大活躍でした。また、ゆうまちゃんは全国対抗キャラクターコンテストで優勝していますが、群馬県のウェブサイトからそのページは削除されています。いつから無いかわかりませんが、「もう、ゆうまちゃんって言うなっ!!」という意気込みなのかもしれません。すでに存在していて、それなりに活躍もしているけれども、都会の役人の顔色をうかがいながらちまちまやるぜ、っていう群馬県の意気込みのことですけど。
【リンク】
【追記】2012.05
なんと、驚きの新展開
ちぇけら!
ゆるキャラ大会には出てませんでしたね。
あれ、かなりアピールする場として安上がりでいいのに