夕方に沼田まで納品にでかけたある日。帰り道はそんなに急いで帰ってくる必要が無いので高速道路を使わないことにした。けれども、国道をずらずら走って来るのはいやなのだ。つまんないから。せっかく涼しい沼田まで行ったんだから、国道から見た川向こうの県道(一部やや険道)を走ることにした。昭和村から、綾戸ダム・綾戸の梁の脇を抜けて、古い小さな集落をいくつも通って渋川の大正橋の所に出る、あの道だ。
沼田側から来ると、綾戸ダムを過ぎると集落がおしまいになり、くねくね道の険道になってくる。そして、頭上を上越線が通るところでトンネルになる。高岩隧道だ。
このトンネルは狭くて中で折れ曲がっていて、しかも途中区間が素堀りをコンクリートで固めたみたいになっていて、とにかく通りづらい。だから慎重に侵入していくと、、、
おっと……。非常駐車灯を点滅させて停まっているトラックが。まさか、対向車もトラックで、どっちがバックするか悩んでるのかなぁ? こりゃ、時間がかかりそうだ。誘導してやれば、抜け出せるかなぁ。
ってゆうか!! トラック傾いてるでしょう? これ、詰まっちゃったわけ? 大丈夫? 運転手は気を失って倒れてたりしたら面倒だけど──見ちゃったんだから仕方がない。クルマをトンネルの外までバックさせて待避所の寄せ、歩いて行ってみる。ケータイはアンテナ2本と圏外を行ったり来たりしてるけど、トンネル内だからだろう。
さて、クルマの前に行ってみると……
運転手のオジサンが誰かにケータイで電話してた。もう助けを呼んで、誰かが来てくれることになってるわけね。怪我もなさそうだし。オジサンは「入口は入れたから、抜けられると思ったんだけど」って!! あんたこれ4tバンでしょがっ!! このトンネルの高さ制限は3.2m。一般的に4tアルミバンn高さは3.2mから3.5mくらい。ギリギリアウトだよ──。
……ってゆうか、何故にこんな道を走ろうと試みた? 険道として知られていると思っていたけど。川の向こうに並行して国道17号だって通ってるのに。もしくは、だいぶ斜面の上の方だけど農免道路だってあるのに。大型車ダメっていう標識だって立ってたけど、「これは中型車だぜ」っていう論理なのか。トンネルの入口に待避所があるんだから、戻ればよかったのに。
そういえば、トンネルの中が臭かったけど、前に行こうか後ろに行こうか、力づくで頑張ってみたんだろうね。でもベルトだかタイヤだかが摩耗しただけで、動けないことには変わりなかったみたい。
これってどうやって助け出すんだろう? キャビンの高さには問題なさそうなので、荷台の箱を切るしかないんだろうなー。しかもチェインソウか何かで。バリバリと。その場面、ちょっと見てみたかった。
- 写真はクルマから降りて徒歩で進みながら撮ってます
【リンク】群馬県道255号 下久屋渋川線 最終回 グネグネで狭い隧道 棚下を抜けて綾戸へ編