田植えや収穫にはクローズアップされる米。あるいは、不作の時も大クローズアップです。また、ニッポン人なら米を食えとかフツーに発言しちゃうヒトも多いことでしょう。でも、米の花って、どんな花? そもそも稲に花が咲くの? ──と、長年にわたって疑問に思っていました。
そしたら、何やら田んぼが白っぽくなってきてるじゃない。「あ゛ー、また米の花を見逃した!!」と思ったんですね。
むむ。それでも、稲穂から何かチクチクしたものが見える。もしやこれが……
米の花ですか? 話によると、米の花は2時間くらいでおしまいだそうです。いつも気にかけていても、なかなか見られないわけだ。それに、この小ささ。もうちょっと、花とわかる花がつくのかと思っていましたけれども、よく考えてみたら麦もススキも花らしい花が見あたらない。そんなもんなんですね。きっと。
蟻ンコと比較してみると、いかに小さいかがよくわかります。ニッポン人なら、米粒のサイズをだいたい把握していると思いますので、それだけでもわかるかとは思いますけど。
ホント、小さいですねー。
拡大して見ているうちに、米の花が米に見えてきた。やばい。目の錯覚だ。
でも、こんなにじっくり米の花を見る日が来るとは、思いつきませんでした。
群馬は麦の生産地ですが、二毛作で米も作っています。麦の刈り入れをしてから米を植え付けるため、田植えが遅い分だけ収穫が遅く、少し寒くなってからの収穫なので硬めの米となり、ニッポン人には不人気な米です。たぶん、多くは米菓などに使用されるんじゃなかろうか。
ブランド好きで、ふわふわ好きでモチモチ好きであることが「わかるニッポン人」として奨励されているため、コシヒカリとかササニシキとか秋田小町とかそのようなブランド米がおいしい米として流通しています。ゴロピカリなんて、少し硬めなので好まれにくい状態ですけれども、そもそも群馬県でも食べてるヒトはそうはいないことでしょう。イベントで大量に配りまくってますけど。
米の花は、柿の花以上に見逃しやすいですよね。 花は、籾がらが二つにパックリ割れて、雄蕊が顔を出すぐらいで、派手さのカケラも無い。 米の花が咲く時期、農家が一番気になるのが、 『台風の発生と、その進路』です。この時期に台風の強風に曝されるとうまく授粉できないで、『青米』か、実が入らなかったりします。 授粉して、花の時期が過ぎると、籾が閉じて、中に白い液体が満たされて、白いお米になるんですよね。