スウェーデン映画界のたぶん巨匠、ケイ・ポラック監督が18年ぶりに発表したという映画「歓びを歌にのせて」を見た。クライアントの担当者が、Lilicoさんのブログを見ていて、Lilicoさんが勧めてたから観てみたらおもしろかった、ということで、見てみることにした。
何の予備知識も無く、いきなり観始めたのですが、舞台はスウェーデンです(そのことは、ずいぶんストーリーが進んでから気付きました)。スウェーデンといえば北欧で、SAAB、SCANIA、VOLVO、などの重工業や、イッタラ、イルムス、マリメッコなどのインテリアデザイン関係、ノーベル賞の授賞式、最近ではIKEAなどで有名ですが、トナカイもザリガニもあまりおいしくはないと評判です。
ストーリーの展開は、対立軸もしっかりしていてたいへんにわかりやすく、ある意味みえみえの展開ではあるのですが、その辺りが評価の分かれ目になるのではないかと思います。個人的には、こんなに先の見えるストーリーをだらだら観ているのは好みではありません。でも、歌が非常にいいので見続けることは可能です。
それにしても、世の中の聖歌隊って、そんなにモンダイある集団なんッすかね。「天使にラブソングを」もダメ聖歌隊で社会を変えるストーリーでしたけど。
警告 WARNING
- ネタバレ注意
夢だった、とか、主人公が死んでその後のことは想像におまかせします、的なエンディングは手抜きだなーとか思うわけですが、この映画もそんな「話し好きのまとめ下手」な終わり方になっています。終演後の展開は、個人がそれぞれ十人十色な発想を持ってよいというのは、悪くはないのですが、「監督!! あんたはどうまとめるんだよ」というところを知りたいわけです。そこに監督の責任なり職業があるのではないかと思います。意見には個人差がありますけど。白黒つけろとは言いませんけど、好みではない。
ジャケットを見て驚くのは、時間が212分って書いてあることでした。おいおい、インド映画並だな、と思って見始めました。「ア〆リ力映画なら、ここいらでもうまとめに入るんだろうけど、この映画はここからもう一波乱あるわけだよね」なんて時計を見て思ったのだけれども、あっさり終わっちゃいました。なんじゃこれ。「ちょっと長い映画」だった。この表示は何だったんだろう? これって、イマドキ流行の「偽装表示」っていうアレですかね。本当は何分なのか、機会があれば計ってみたいと思います。
それと、日本語吹き替えも録音されているということで切り替えてみて気付きましたが、このDVDは2.0chで録音されているようです(うちの映像環境では気付かなかったけど)。イマドキ、5.1chとかで録音するもんじゃなかろうか? それとも、音の部分はCD買って楽しんでくれという、エイベックス流のマーケティングなんだろうか。歌手が歌を歌う場面が最大の盛り上がりであるこの映画をエイベックスが販売すると、こういう扱いなのね……。残念。
日本語タイトルも「歓びを歌にのせて」って!! 邦題はあった方がいいと常に思っていますが、これは売れるタイトルではないね。英題は「As it is in Heaven」。
スウェーデン語タイトルはよくわかりませんので、後で考えますが、もうちょっと売れるタイトルってあると思います。
ちなみに、「スウェーデンで5人に1人が観た」っていう言い方での宣伝は、なかなかイケてると思いませんか。「全米が泣いた」なんつったって、全国米穀協会のことかいや? と思ったりしませんけれども、謙虚さがなかなかいいと思います。
【リンク】
スウェーデン語では、
Så som i himmelen
と言うそうです。
ちっとも読める気がしない。
意味は『天国にいるように』という意味らしいので、
英題 As it is in heaven はスウェーデン語を直訳した感じなんですねー。