お盆なんて、どこに行ったって混雑しているし、なぜだか物価は高騰するし、暑いし。ということで、どこにも行かないのが基本なのですが、ちょっと興味があったので、南牧村の大日向の火とぼしを見物しにでかけてみた。大日向は南牧村のひとつの集落で、村のイベントというよりは集落のイベントという色合いが強い。
火とぼしのいわれや歴史などについては、ネット上でも多く語られているので省略。
この日のその時ばかりは、駐車禁止ではない道路にも、駐禁の標識が掲げられます。南牧村には車庫証明すら無いのです。
車社会の群馬の、車がないとどこへも行きづらい南牧村ですが、会場付近は村内でも民家が密集している集落で、駐車スペースがありませんので、あらかじめ地域活性センターの駐車場に置いてから、歩いていきます(約1Km)。
17:30頃に、大日向橋の下の南牧川の川原に来ましたが、すでに三脚品評会が始まっていました。みんな、レンズ焦点距離の長さの割に三脚が軽すぎないか? という感じでしたが、70mmのおいらは不必要に頑丈すぎる三脚で無駄に重かった……。
ちなみに、写真愛好家のみなさんの支度を見てみると、フィルムを装填するカメラで撮るヒトが20%はいたように思えます。デジタル+フィルムというヒトもいました。
藁の支度も、着々と進んでいるようでした。
そして、日も暮れぬ午後6時過ぎ、いよいよ火が灯されたのでした。
上手に回せるヒトと、回せないヒトがいるようでしたが、火のついた藁の束に紐を付けて橋から身を乗り出して回すワケなので、そんなに簡単なコトでもないことでしょう。それでも、回るとこんな感じになります。河原に座っていると「あ、始まったね」くらいな感じで、とくに大きな合図とかも無く始まります。
ちょっと、Firefoxのアイコンっぽいなー。
まだ明るいので、
- ISO50
- f16
- T3秒
で撮影しています。ISO50を使うことがあるとは思わなかったなー。
ちなみに、3秒くらいは開けておかないと、なかなか炎が円にならない。上手なヒトほど回転時間が長い感じがしました。シャッタースピードが1.5秒くらいだと、こんな感じ。
後ろで、カメラ好きな感じのオバサンが、もっと早く回さないと円にならないとか言っていたのは、そゆことだと思います。だったらNDフィルター などで減光したりすると、また違う味わいが出てよろしかろうと思います。
これ、何時まで続くんだろう? きっと午後8時とかになるんだよな、と思いまして。石ころだらけの真っ暗な河原を、撮影機材を担ぎ、大勢の人間と一緒に歩くことに不安を感じましたので、まだ薄暗くても足元が見える午後7時前、ちょっと移動してみました。
撮影ポジションとしては甲乙付けがたいですね。でも、この角度まで下ってこないと、橋の下で子供たちが回しているのは、ほとんど見えていませんでした。
あと、火の祭りなので、近づけば近づくほど、大胆なディテイルを表現することも可能ですね。
ノートリミングでは、よく見かける火とぼしの写真でも、グッとトリミングすると
なぜだか急に力強い荒々しい写真になってきます。
無形文化財に指定されているそうですけれども、ある意味、奇祭。町中が暴れ狂ってるわけではないけれども、かといって共通のかけ声やらリズムやら順番というようなモノもなく、ただ順にヒトが出てきて火のついた藁を紐で縛ってぐるぐる回しているわけで。
そこへ、もう少し、現代的な意味をつけ加えて、商工会を通じて出店を要請したり、直売所「オアシスなんもく」と連携したりできたら──できるんだったらとっくにやってますね。きっと。
ISO100、f22、T30秒。撮影データ的なものをちらちら書いていますが、テキトーですのでよろしく。その後にトリミングしたりレタッチしたりしてますから、ホント参考程度に。
ところで、この火を回す様子はスチールを用いて語られることがほとんどなわけですが、スチールで視るとどんだけ回ってんだよ? と疑問に思うかもしれません。あるいは、何の疑問も無く、トンガの火祭りのように、ドンドコドコドコ……ってすごい勢いなんじゃないかと思っているヒトがいるかもしれません。
本来ならば、実際に現場で目の当たりにするのが最良と思いますけれども、いろいろとオトナの事情で日本一の過疎の村まで行けないヒトのために、簡単なムービーも撮ってきました。こちらもオトナの事情でムービーの編集が面倒ですので、適当に早送りなりしてご覧ください。ゆるーい感じはそれとなくお伝えできるのではないかと考えます。
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読売新聞とか東京新聞とかは記事になるけど、地元群馬の上毛新聞はどうした? どうしたもこうしたも無いか。
こんにちは。デイリーポータルZの「見てきて」から伺いました。
群馬を離れて早15年ですが、南牧村の隣町(といっても似たような田舎ですが)に住んでおり、小さい頃は夏休みに川遊びに連れて行ってもらったことを懐かしく思い出します。