群馬県太田市と埼玉県深谷市の県市境が変わるそうです。変化を嫌う現代においても、まだビミョーにそのようなことが行われているのだということを知るたびに、まだまだニッポンも前に進もうとしているのだ、と安堵します。
といっても、群馬県と埼玉県を分かつ利根川の両岸には飛び地がいっぱいあります。その飛び地のごく一部分が解消したにすぎませんけれども。
画面下のミドリっぽい部分が埼玉県で、画面上の赤っぽい部分が群馬県。これの境界となっているのが利根川。でも、どう見ても川に沿った境界になっていない。これは、明治時代にほぼ現在の県境が引かれたわけだけれども、治水の整っていない時代だったので、たびたび川が氾濫して、その蛇行具合が変化してきたわけです。
これを、大正時代の治水工事により現在の川の形が確定することとなり、昔の蛇行した利根川に沿って引かれた県境と川に囲まれた「飛び地」が発生してしまったわけですね。
このたび、この赤線を引いたあたりに県境を持ってくることで、そこに済む住民の便を図りましょうということのようです。住民からも陳情があったようです。
でも、右側にはまだ飛び地っぽいところが続いてますけど! ……っていうヒトは、多いことでしょう。
今回は、深谷市と太田市(というか、合併前の尾島町)で決められた話なのです。県同士で決めるんじゃなくて、市町村同士が決めるんですね、これ。しかも、埼玉県深谷市にはみ出していた群馬県尾島町(現在は群馬県太田市)の住民は、学校も埼玉県の学校に通ったりして、すっかり文化としても埼玉県民として暮らしていたので結着ついた話のようです。
群馬県から埼玉県に移転する住民約140人。ちなみに、埼玉県から群馬県に移転するヒトはいないそうです。
なお、境界変更は、2011年3月1日から。
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