ボリビアにあるウユニ塩原を舞台にした、ケチュアの人々の静かな生活。ウユニ塩原といえば、ネットで「キレイな写真くれ」と言えば誰かが1枚くらいは送ってくれるだろうと思います。塩原は塩湖であり、塩が張った上に1cmくらい水が溜まることでどこまでも平らな鏡のような風景になる日があるそうで、その景色が息もできぬ美しさなんだとか。世界最大の鏡。
【リンク】ウユニ塩原の画像
ひとまず、いつもの疑問。
Q. 「ボリビアって、どこだ?」
A. ブラジル・パラグアイ・アルゼンチン・チリ・ペルーに囲まれた南米大陸の山地。
そのボリビアの南西部に位置するウユニ Uyuni がスタート。衛星写真で見ると白く見えるのは、雪ではなくて塩。ウユニは塩原が広がる地域なのだ。しかし……思いの外デカいな。塩湖。こんなに大きいとは思わなかった。
監督は、松下俊文。加古川出身にてニューヨーク在住らしい。
ひとまず、予告編。
ボリビアの山中とはいえ、近代化が押し寄せており、今では儲けにならないリャマを連れた塩キャラバンなんてやるヒトも少なくなっているそうです。その様子を、半ばドキュメンタリーとして、半ば物語として伝えようとしているのが、この映画のようです。なんつったって、この監督はニュース屋さんだそうですので。
適度に脚色されているドキュメントを観ている、という感じになりました(意見には個人差があります)。
塩キャラバンをやるヒトが減っていますが、ウユニ塩原は情報が拡散することで注目されるようになっていますので、塩の出荷をやめてしまうことはないと思います。でも、車で行き来するのが不便な地域で物々交換が基本の商売は、今後どのくらい続いていくのかはわかりません。本人たちの情熱が続くまで、というところなのではないかと思いますが。
それにしても、世の中にはまだまだ知らない暮らしがたくさんあるのですね。地球の裏側の生活を少し覗き見した気分です。
作中には、塩原から採る塩と、いろいろな作物が交換されます。主にトウモロコシなんじゃないかと思いますが、トウモロコシはその旅の途中で、挽いちゃいます。合理的ですね。
それから、塩の他には、キヌアという穀物が叙情的に用いられています。——で、キヌアって、何だ?
【リンク】ウィキペディア
ホウレンソウの仲間なのかー。そういえば、ホウレンソウの花に似てないこともない。そして、栄養価が高くて21世紀の穀物とか呼ばれてるのかー。
予想通り、アマゾン.co.jpでも買えるらしい。すごいね。みんな健康には目がないね! だって、食品カテゴリーじゃなくて、ヘルス&ビューティーカテゴリーなんだよ!
ところで、少年たちが走る、走る。いつでも移動は駆け足のあの運送会社は、この地域の子供たちを見習ったのか? というくらい、いつも走っていて、楽しそう。でも、靴下ナシでサンダルだけど。寒そう。上半身はリャマ毛の織物を身につけているのでそれほど寒々しくない けれど、足はいつでも寒そう。
また、劇中に錆び錆びで放置され解体もされない機関車が登場しますが、どうやらそこに行くのはそう難しいこと ではないようです。
息を呑むほどキレイなウユニ塩原に見とれている場合じゃないんですね。現実的には。
群馬では、シネマテークたかさきにて1月29日まで上映。他地域については、公式サイトをご参照ください。
ウユニは今後、世界の電気使用の礎となるリチウム(電池の材料)の産地として、掘り返されてゆくのではないかと考えられているそうです。
【リンク】