いつでも、どこでも、日本中で四季を問わずに同じものを同じ金額で食べられる。それって、幸せなことなんじゃないかと思われていた。――いや、今でもそう考えるヒトは少なくないだろう。いつでもキュウリとレタスとトマトのサラダが食べられる。ちょっと前のニッポンでは考えにくいことだったはずだ。
でも、いつの間にかそれが当たり前になっている。世間では「食育」とか「地産地消」とか、新しい述語が発明され、それがブランドとなり、お金のニオイがする言葉が商業的に無駄に持て囃されているキュウリもトマトも夏野菜だけれども、食べたければ冬でも食べる。
エコブームでCO2を減らすのもブーム。
エコブームだけど、冬食べるトマトを育てるための燃油について考えをめぐらせるヒトは……たぶん、いない。テレビがそのことについて何も語らないからだ。
一部の農場では、重油で暖房して育てるのをやめ、電気のヒーターに取り替えることで排出権取引をしたりしている。電気に替えるのは結構だ。でも、電気の消費量が増えると、原子力発電所の恩恵にあずかることになり、原発を批判する勢力を抑え込める。
ま、ゆっくり映画でも眺めて、考えてみるべきだろう。
食べるって、何だろう。生きるって、何だろう。
経済が保てない? 経済を保つために生きているんでしたっけ。経済をまわすために食べてるんでしたっけ。
経済をまわさなくていいならば広告屋は要らないけどね。
「イートリップ」シネマテークたかさきでの公開は、いよいよ2月5日金曜日までとなりました。
カントクの周りにいる知り合いたちの映像を繋げて作っちゃいました、という感じ。キャメラのヒトはどんなヒトなのかわかりませんが、ピントが合っていない映像が多いのは、わざとなのか? 故意でも過失でもいいけど、目を閉じたくなる。見なくていい映像があるなら、映画なんだからカットしておいてほしかった。
そんなキャメラを使うなら、映画学校の生徒とかを動員して作れば違う方向からも話題になっておもしろかったのになー。
【リンク】eatrip(オフィシャルサイト)