御柱(おんばしら)と言えば、諏訪神社御柱祭として諏訪の奇祭が有名だ。7本もの御柱を急斜面に落とし、その上に華乗りするあれだ。もちろんけが人が出ない回は無いことだろう。
群馬県の西部、長野県境に近い南牧村星尾の諏訪神社でも、同じ年回りで御柱祭が開催されている。こちらは諏訪の御柱祭に比べれば小規模で、御柱そのものも1本だけだ。(数えで)7年に1度、寅年と申年に催される。今年で300年、50本目ということだ。
全国に諏訪神社チェーンは数あれど、長野県外で御柱祭をするのはこの星尾諏訪神社だけらしい。また、ポスターの表示によると、群馬県唯一の神事とのことでもあるらしい。
1月頃、役場の御柱担当部署のヒトから「今年は、御柱なんですよ」という話を伺っていました。そして、印をした木が倒されているのも見て知っていました。
それで、この木を降ろして曳行するんだなー……と思っていましたけれども、都合により出遅れてしまいまして、どうやって道路まで出したのかはわかりませんでした。残念。だって、すんげー傾斜のすんげー位置にあるんだもの!
どうやって降ろしたのか、かなり気になる。
さて、ポスターの写真を見ると、数人のオジサンたちがとことこ歩いているようにも見えるのですが……
結構、盛況じゃないですか! 300年50本目という節目だったり、注目の限界集落だったりということもあるかもしれませんが、諏訪神社を氏神とする氏子衆に限らず、近隣の集落からもだいぶヒトが集まっているようでした。さらに、それほど多くないかもしれませんが村外からも参加者がいたようです。それから、普段着で参加できるところが売り(?)のようですが、揃いの襷を掛けるだけでグッとイメージアップな感じがしますね!
それでも、曵手が足りないので、基本的にはトラックで曳きます。さらに、道路は曲線が多いので、トラックで曳くと言っても一苦労。へんな派手さが無い代わりに、安全第一で曳行されています。
こうして、約1Kmを曳行して来ますが、さすがに最後の100mくらいは、人力で曳いてみよう! ということで、トラックからワイヤーがはずされました。
それーっ!
がんばれー!
あと少しー!
最後には、バンザイをして曳行は無事成功でした。
この後、皮を剥き、
古い御柱を引き抜き、
新しい御柱を立てて御柱祭はおひらきです。……って軽く言いますが、ユニック車の無い時代は当然、人力100%だったということですよね。それを考えると、ちょっとスゴイ。
次週は氏子による祭典が催されると言うことです。
以前に「もう、次回はできない。300年50本目というキリがいいところで御柱祭は終了なんじゃないか」という村内の別の部落のヒトの声を聞いた気がしますが、推定150人くらい集まった今回を見ると「次回も、このくらいヒトを呼んでできるんじゃないか」という前向きな発言が聞こえてきました。あとは、誰が音頭を取って引き継いでいくか、ということですね。
道路には、丸太を曳いてきた後がずーっと残されていました。
これは素晴らしい神事に立ち会われましたね。
知人で還暦過ぎのおっさんが、諏訪大社の御柱祭に行ってました。7年後に生きてるかどうか分からねーんだから、必ず見ると昨秋から吠えていましたよ。
音頭をとる人たちがいて、その地域の外の人でも参加OKであれば、この神事は続きそうな気がします。