既報の通り、運転免許更新に際して写真を持ち込んだ。背景が少しグラデーションであることを大いに気にする担当者は「あんまりキレイじゃないかもしれないけど、いいですか?」「写真不可ならば電話するので、下仁田交番で再撮影」と、うすら脅迫をし、受理してくれた。
御免許センターで更新すれば講習を受けている間にできあがって即日受け取ることができるわけだが、地元の警察等で更新すると受け取りが4週間後になってしまうわけなので、改めてもらいに行って来ましたのです。
ゴールドになったから写真も黄色になった! というわけではないのです。
グラデーションは派手じゃなければ大丈夫
「あんまりキレイじゃないかもしれないけど、いいですか?」と交通安全協会の担当者に脅迫されるほど仕上がりが悪くない。想定していた範囲内だ。基本的な条件として「無背景」なので、極端な模様やグラデーションは避けるべきと思いますが、写真を美しく見せるため程度なら問題無いようです。
もちろん、グラデーションがトーンジャンプするということもありません。そりゃそうですよね。この程度でジャンプする階調なら、顔色とかどうなっちゃうわけ? って思いますよね。
あと、はっきりと「グラデーション不可」な免許センターもありますので、要確認。
撮影レンズの差が顕著
望遠レンズになれば被写体を客観的に映し出し、広角レンズになると歪みが大きくなってくる。これ写真撮影の常識ね。そしてその差が出たなー、と思います。
過去に御免許センターで配給芋洗い式に撮影した写真(左)は顔じゅう顔なのだが、写真屋さんに行って撮ってもらった写真(右)は、比較的顔面センターになっている。これは、たんに齢とったというわけではないと思います。
写真屋さんでは、焦点距離100mmの中望遠レンズで撮っています。商品撮影でも90〜100mmくらいのレンズが使われることが多く、極端にすぼんだり歪んだりしにくい客観的な写り方をします。3mくらいは離れて撮影しています。
一方、過去に御免許センターで撮影した写真は、それよりも短い焦点距離のレンズが使われているようです。撮影距離も1mちょっとくらいで、スペースや操作性、被写体をコントロールしたりといろいろな理由でこのようなレンズ構成が選択されたんだと思いますが……顔じゅう顔! 耳から目にかけての奥行きを見るとわかりますが、撮影者が被写体に近づきすぎですね。
なお、レンズの焦点距離によるポートレイトの写り方の違いについて、実際に撮って並べてみたヒトがいますので、参考にしてみてください。(耳まで写ってるともっとわかりやすいんだけどなー)
【リンク】The camera DOES lie: Proof that a lens can be the difference between pretty and pretty ugly
広角レンズ(24mmとか10mmとか)になると、どこのオカマ? みたいになっちゃってる。また、近づきすぎるのでカメラ目線のその目線もちょっと不自然な雰囲気に。撮影風景も見られたら面白いのになー。10mmなんて「鼻にくっつくー!」くらいの距離じゃなかろうか。
同じヒトが同じモデルを撮っても、レンズによってこんなに別人になっちゃうんですねー。そして、リンク先の記事の上では135mmがベストだと結論づけていますが、撮り方によっても多少差が出てくるので、それは写真屋さん等が使用可能な機材で試してみて結果を導き出しておくべき問題でしょう。
ライティングの差も多少ある
写真屋さんは、極端な陰影が出ないように気を使ったライティングをしてくれますが、配給芋洗い式な御交通安全協会御職員様はその機械なりに撮るしかないわけです。スペースも時間も限られていて、いかに効率よく流すかということに気を配らなければなりません(たぶん)。
そんなわけで、御交通安全協会様に美しいライティングを期待する方が間違っていますね(きっと)。そしてそれは仕方ないことなのです。
写真屋さんで落ち着いて撮って、備えよう
- 写真にこだわりがない
- 忙しい
- 面倒臭い
- タダで撮ってくれるものを、わざわざカネ払ってまで撮ってもらう必要を感じない。
ヒトにはそれぞれの考え方があり、生き方があるものです。だから強制しませんが、お勧めします。
とくに、経営者や、社団法人とかナントカ協会とかの肩書きあるヒト! 3〜5年に1回くらいはちゃんと写真を撮っておこうよ。そして、運転免許更新はそのキッカケにしたらどうでしょう? そんな方々がこのページを見ているとは思わないけど。
広報だ、新聞だ、雑誌だ、会社案内だ……と、役職者はなにかと写真が必要になるもの。予算があるメディアならばその都度ちゃんと写真を撮ってくれるとは思いますが、そうじゃなければテキトーにコンパクトカメラで撮るか「ある写真をくれ」となるわけです。ろくでもない写真をその都度用意して使うくらいなら、【「写真くれ」と言われた時に出す写真】を用意しておけば、メディアが助かるばかりではなく、メディアに掲載されたその本人の評価にも影響してくることでしょう。
そして、免許書き換えのたびに撮り直せば「おい、これ何十年前の写真だよ?」と言われる心配も無いことでしょう。
まあ、非常持ち出しの準備もせずに、何事かあってから買い占める国民性ですから、言うだけ無駄なんだろうけど。
それと、写真屋さん——とくに証明写真を商品として取り扱ってる写真屋さんは、自分の更新時には、明らかに御免許センターで撮ったのより良い写真の運転免許証を自分で作っておくのも忘れずに!
【追記】2012.03.10
群馬県でピンクの実例でました→「証明写真を持ち込みで免許の更新に行って来ました。」
【追記】2012.04
滋賀県でアカレンジャーの実例でました→ facebook
【追記】2012.04
愛知県では、服を着てないようなヌード写真かよ!で、アカ!(またはピンク?)
【追記】2014.08
なぜかまたキイロ! → facebook
群馬で運転免許証用の証明写真を喜んで撮ってくれる写真屋さん
(フォトP調べ)
他にももっとあると思いますけど、友達が少ないのでよく解りません。ご贔屓の写真屋さんにお尋ねください。
写真屋さんの考え(例)
免許証用証明写真を考察する(中嶋 秀磨氏)