この頃は金物の出来が良くなってきているので、左右にスライドさせることで開閉する引き戸がだいぶ軽くて心地よい。「がらがらがら」「ピシャ!」っと暴力的な音を立てることも少なく、すーっと静かに開閉しやすい戸が多くなってきている。
この「引き戸」は、実に都合の良い構造なのです。
引き戸でしたら、自分が必要な分だけ開いて出入りすることができます。そして、電動の自動ドアのように必ず全開になるということもありません。手ぶらの細身のヒトならばその巾だけ開けばよいわけです。だから、冷房や暖房の損失も少なくて済むわけです。
ところが、必要な広さだけ開閉すればよい引き戸は、自動で閉じないものが殆どです。
たとえば、トイレの場合は、使用後にホッとしすぎる上に、手を洗ったり手を拭いたり身支度を調えたり、いろいろやることが多すぎて、つい「戸を閉める」ということがスポっと抜け落ちてしまうことがあります。とくに誰かを待たせたりしていたりするとなると、慌てないとしても、ついうっかり閉め忘れがちです。
ということは、自動で閉まったらいいんじゃね? そんな自動閉ドアが無いのかなと思っていたら……ありました。
自動ドアだけど、開けるのは手動なので半自動ドア
あっ……と思うくらいに軽く開き、手を離すと勝手に閉じる。閉じ際には少し減速して、静かに閉じるのです。これが気持ちよくて、何度も無駄に開閉したくなります。ホント、キモチイイ。
開く時も(電気を使わない)自動の引き戸もあるにはあるのです。でも、その機構は「車椅子などを押している」などの特別な事情が無い限り、必要な機能であると言い切れないような気がします(そこにはオトナの事情が介在している)。必ず全開になる必然性が無い場合が多いのではないかと想像するわけです。
開くのが手動ならば、自動ドアが開きすぎる!という悩みにも対応できそうだし。
ちなみに、ハンドルの形状を工夫すれば、両手に荷物を持った状態や手に障りがあるヒトでも肘などで開けやすくできるでしょうし、ニッポンではちょっと行儀悪いと見られるかもしれませんが下部にハンドルを付けておけば、足先で開けることも不可能ではないでしょう。
地震・津波の煽りで、原子力発電所を思うように運用できなくなったニッポン。今まで息をするように何気なく使っていた電力を節約するよう心がける地盤が厭でも醸成されるのならば、このような「半自動ドア」も選択肢としてかなり良いのではないかと思うこの頃なのです。
何でも電気とモーターとギヤでやれば簡単ですけどね、ここらでいっちょ、ひとひねりすることに手間をかけてみてもよろしいのでは!!
建具は建具屋さんに相談すると、いろいろ出てくるなー。金物自体は数千円程度のものなので、どんどん取り付けるべきじゃないかなー。