まず、思わずズッコケた、とあるポータルサイトの告知を紹介します。
「パソコンが重い」@niftyがお調べします。
ちょっと! おたくのパソコンは、何kgですか?
「パソコンが重い」という表現も誤解に満ちた表現なんじゃないかと考えられるわけです。
たとえば、iMac 17インチだと液晶ディスプレイと一体型なので、7kgから10kgくらいあるわけです(モデルによる)。これは、重いと言えば重たいけれども、そうでもないと言えばまあそう重たくもないとも言えるビミョーな重量感です。部屋の中のちょっとした移動には苦はないが電車に乗って都内を移動するには重い。
(実際に、iMac持ち運びバッグが販売されてるんですってば)
でも、eMac だと、ブラウン管ディスプレイ一体型なので、30kgくらいあるわけです。これは、もうどうしようもなく重たくて、部屋の中の移動をするにも考えてしまう重量。棄てるに捨てられない。
@ニフティ様は、こんなことまで調べてくれるんだろか(んなわきゃない)。
半年間で表現を改めた広告がある
同様の、超くだらないいちゃもんを付けられたのか、2011年末に出ていた広告が、遅くとも2012年初夏には表現が改められていた。
まずは2011年末の広告
近頃PCが重いと感じてませんか?
狭い広告スペースで、余分な表現をそぎ落としてシンプルに言わなければならないので、多少舌足らずな表現になったり誇張された言い方になったりせざるを得ない。そして、直接的に訴えかけようとした結果、こうなったのだろう。
このコピーと画像を見た中年オッサンたちの感想としては
- そうだ! eMacが重くてなっ!
- この女の子の代わりに、肉体派の女性がeMacを腹上にして言ってもらいたい
というものでした。
ちなみに、写真の女性が腹上に乗せているパソコンは推定2Kg。家の中ではそれほど重量感が無いとしても、アタッシュに入れて街中を歩くとちょっと重い。他の道具と合わせるとだいぶ邪魔な重量感でしょう。
では、2012年初夏にはどう変わったのか
最近パソコンの動作が重くないですか?
「PCが重い」から「パソコンの動作が重い」に変更され、余計なツッコミを効果的に排除している。だいぶ正しい表現に改められたように感じられます。また、アルファベット拒否症候群のヒトも少なくないので「PC」が「パソコン」に改められたのもなかなか評価できるところと思います。
そして、キャッチコピーがこのように改められたおかげで、「この腹上のパソコンが重てぇんだよ!」感がスッキリ解消したように感じられます。敢えて深読みするなら「腹上のパソコンがのろまなので、スマホで見ちゃうぜ」というような雰囲気も無くないですね。
不思議ですね、コピーの魔力。
曖昧な表現と疑似表現は可能な限り排除
くだらないツッコミだと言えばそう言えないこともないのですが、
- 今まだ「……のボタンにマウスを合わせてください」の表現があること、
- そしてマウスを操作してポインタを対象に合わせるのではなく、ディスプレイにマウスをあてがっちゃう
という冗談が通じるということは、まだまだパソコン操作に対する認識がその程度のヒトが少なからずいるということなのです。
広告する側の「当たり前」を見直し、広告を見る側の立場に立った表現方法をよく推敲するよう心がけましょう。これは、慣れてしまえばすぐにできるようになるのですが、慣れてしまってからでも社会状況を鑑みて微修正し続けなければなりません。
ビジネスブログも同じことですからねっ!
コピーを書くと言うことは、ビジネスブログにおいては全く同じコトです。勢いとノリだけで楽しくずんずん書き進めることはいいことですが、一歩引いて冷静に読み返してみることです。そして「そりゃあ、わかるに決まってるでしょう、フツー」という傲慢な考えはやめ、対象者が誤解無く理解出来るような表現かどうか、チェックしよう。
そこを一歩進めて、対象となる層だけにわかるような表現を使って、非対象層を排除しちゃうというやり方もありますね。ただし、あまりひどい誤解を受けるようなことをすると却って逆効果なので、慎重にお願いします。