毎年10月20日は「日本近代化遺産の日」ということで、この頃に合わせて近代化遺産が公開されたりすることがある。富岡市では今年、東京電力北甘変電所、富岡市社会教育館、旧一ノ宮町役場庁舎(現富岡市シルバー人材センター)が公開されたので、見物しに行って来ました(一ノ宮町役場庁舎は外観のみ)。
とくに、現役で稼働中の変電所に入れることなんかないので微興奮だったし、大正時代のコンクリート造の建物が耐震補強も必要とせずに今なお使用されているなんて、すごいじゃん! でも写真映えしない殺風景な箱だったので、社会教育館を紹介する。
【リンク】[富岡市] 「北甘変電所」「社会教育館」「旧一ノ宮町役場庁舎」が公開されます
社会教育館は単なる保存物ではなく、現役利用中
登録文化財になっても現役で使われ続ける施設というのは少なくなく、社会教育館も、同時に公開された北甘変電所もともに現役。とくに社会教育館はコーラスグループが使ったり、うどんの会が使ったり、市井のみなさんがそこらへんにある公民館のような使われ方をしているようです。
ただし、駐車場が狭く、鉄道駅から近くもなく、バスが来るわけでもなく、おまけに丘の上に建つこの施設を、歴史的建造物だからという理由で使おうとするヒトはいないみたいです。
内部の一部分を、パノラマVR(360°くるくる写真)でお楽しみください。
講堂
講堂は桐の床。戦後はダンスが行われたりいろいろあったようで、傷だらけになったモノをわりとさいきん削り直したのだそうです。今では「昭和11年に貼られた床を傷つけないように」と貼り紙がされています。
貴賓室
講師が休んだり泊まったりした特別室。現在ではお琴の会があったり、お茶会があったり、そのような催し物で使われるとのこと。
この日は、指定の見学日だったのですが、とくにヒトがわさわさたくさん来るということもなく、とても静かで穏やかな日でした。
それにしても、便所は広すぎて、落ち着かないので出るモノも出ないんじゃないかと思いました。さすがに実用トイレとしても利用されているのでウォシュレット付になって不格好になってたけど。
すごくちゃんとした絢爛とはまたちがう豪華さ漂う社会教育館は、当時85000円くらいで建ったとのこと。今で言うところの10億円だか16億円だかそのくらいだそうです。すげー! と言えばたしかに凄いけど、去年あたりに完成した高崎の総合保健センターは85億円。戦前から箱モノにこだわる県民性だったのかもしれません。
竣工当時から県立だったのだが、平成17年に富岡に移管されました。
【リンク】富岡市社会教育館