ちらりと聞いたことあるけど日付までは知らなかったなー。セブン銀行ATMでも表示されてたし、みずほ銀行ネットバンキングを使っているからメールも来てた。でも、完全に失念していた。
見てないけど話によるとテレビでもずいぶん広告してたらしい。
でもそれらはノイズとして扱われ、自分のこととして実感していないヒトがかなりいたということだ。具体的な金額はわからないけれども、そのようにして告知にかなりの予算を費やしたはずなのに「知らなかった」なヒトの多さ。ツイッターとかで告白するヒトたちのうち半分くらいはネタか誇張しておもしろがってるだけのような気もしますけど。
ウェブにも確かに大きく赤文字で書いてあった
これぞ社会を動かしているエリートサラリーマン! という風情のオトナが寄って集って計画した告知の結果がこれだ。「赤文字でさ、ドドーンと大きくめだつように」っていう発注だったのではないかと想像。
言いたいことは確かに網羅されている。
- 何なのか(オンラインサービス一時休止)
- なぜなのか(みずほ銀行とみずほコーポレート銀行の合併の処理の都合)
- いつなのか(6月29日土曜日午前0時から7月1日月曜日午前8時まで)
麗しい役所向け紋切り型にとらわれすぎてないだろうか。もっと記憶に残るようにズバズバと言い切ってよいのではなかろうか。
雑に言えばこういうことだ。「一時休止」なんて生ぬるい言い方になってるからあまり重要に感じてもらえていないので、「全部止まっちゃうぜ!」という表現が必要だったのではなかろうか。
また、完全に後出しではあるが、給与振り込み日直後のヒトがかなりいることは銀行側でよーく把握しているはずなので、そこにも言及しておくと、より重要感が増したかもしれない。さらに言うならば、ニッポンの消費者は「いつ、何を、どのようにしろ」と言われないと実感が湧かなくなってきているので、必要な現金は28日中に用意しろ、と言うべきだったのではないかと考えられるわけです。
何故停止するのかなんていう理由は、知りたいヒトがクリックした後にでもわかればいい情報なのではないかと思うのだけど……地道に「合併するぜ」の宣言を盛り込みたかったのかな。だとすると、「二兎追う者は」になっているかもしれません。
配色、フォントの選び方
もうひとつ気になるのは、フォントの選定と配置。コーポレートカラーを使い、決められた書体を使うことで全体的な調和を求めるのは当然なことです。でも、こんな重要なコトが調和して埋もれてしまってはダメなのではないか? その調和を乱すデザインというのも必要なことに感じられます。
みずほ銀行で言えば、濃い紺と暗い赤がいつもアクセントになっているので、そこに出現しないキイロやミドリを配置して異物感を出すことも手段のひとつです。キイロとミドリのどちらがいいのかと言えば、安心感のあるミドリよりも警戒色であるキイロです。
広告だけでなく、広報にも力を注ぐべきだった
膨大な金額をテレビCMに浪費したっぽいのだが、もっとニュース等で取り上げてもらうよう働きかける力が、みずほ銀行にはあったのではないか。以前に2度もシステムダウンで大混乱となった過去に触れられたくないというプライドかもしれません。
でも「2度も失敗しちゃったから、こんどは超慎重にやってるんだよ」というアピールがあれば、受け容れられると思うのは、当事者じゃないからでしょうか。
メールやブログのタイトルなどでもこのような傾向がある
企業や役場のブログや防災メールなども、傾向としては似ていると思います。
例えばイベント告知において、タイトルに「◎◎イベントについて」と書いてしまう。そして開いてみると「それは都合により中止になった」なんて書かれていたりするわけです。そんなどんでん返しな内容ならば「◎◎イベントは中止となりました」とか「◎◎イベント中止のご案内」とか、タイトルを一目見て理解できるようになっていることが好ましいでしょう。
そういえば、ATM年中無休になったのいつからだろう?
以前はゴールデンウィークだ、年末年始だ、と言ってはATMが使えるの使えないの、手数料増額だのと言って、銀行入り口等にポスターをべたべた貼り付けていたものです。2004年の知恵袋的なページにもそのような質問が残っていたりします。
【リンク例】年末年始、ATMが使えないのはいつですか。
でもいつの間にか、ATMは毎日営業。コンビニ等ではそれが24時間利用できるようになったわけで、どこにそんな需要があるのだと疑問に思う以前に、利用者は曜日や歳時記や時刻を気にせずに入出金ができる、便利な社会になっていました。
今でもなぜだか「25日給料日」が多い上に、恵まれた一部のヒトたちはボーナスが支給されたばかりということも重なって、リア充っぷりを自慢したかったのかもしれません。
「あって当たり前」のモノが、突然使えなくなると混乱するんですねえ。