ウェブをリニューアルしました! っていうから見てみました。一番の驚きは、いまだにHOMEに誰も見ないFlashアニメがどーんと居座っていたりするという部分でした。表示したい気持ちはわからないこともないです。
いきなりですが、結論から
- Flashやめて、Javascriptで何とかなりませんか
(Flashを表示しない端末が増えてきました) - スライド1枚ずつにメッセージを伝えるストーリー性を持たせた表現で
(意味のないスライドショウをじーっと見てくれるのは、知人が1度くらいです) - 訴求内容に合ったページへのリンクで、閲覧者を迷わせない
(せっかく見に来てくれた閲覧者をみすみす逃がすなんてもったいない!
表現者と閲覧者の間にそびえる壁
表現者と閲覧者は、それぞれ視点が違うので、それを想像しなくてはなりません。
表現者として考える
表現者(情報提供者)としては、見た目の体裁を「よくある形」に収めたくなるらしく、大きなアイキャッチの画像を置きたくなります。でも奇跡の1枚だけを表示するのでは勿体ない気分になるので、複数枚表示するためにスライドショウという選択をしがちです。
- 伝えたい情報は、全部
- ターゲットはみんな
誰に何を伝えたいのかも決めていないので、何かをズバリ言うこともできず、写真が次々と現れては消え、何もメッセージが無く、リンクしなくても平気でいられるのです。
それだけではありません。iPhone等のiOSは機能を必要最低限に抑えているため、Flashを表示することができません。だから、巨大な隙間があいているだけのマヌケな見てくれになってしまっています。どうしてそこにFlash動画を挿入したかったのか? 見た目を重視したのでは?
閲覧者として考える
閲覧者としては、HOME画面ではまだスタート地点でしかなく、早く目的の情報に辿り着きたいわけです。だからストーリーも無いスライドショウをじーっと黙って見ているヒトはそれほどいないと思われます。
これは、アクセス解析を見ればすぐにわかることです。スライドショウが1周する時間よりも長く滞在していればスライドショウを眺めていた可能性が高いですが、おそらくHOMEの表示時間はほんの数秒のことではないでしょうか。
そう考えると、冒頭にいくらおおきな画像を挿入してもすぐにスクロールして画面の外へ追いやられ、目的のページへのリンクを探し始めてしまうのです。つまり、頑張って設置しても見られていないことが多いのです。
「スライドショウ=悪」ではない
スライドショウなんかダメだ。というようなことをお知らせしましたが、必ずしも悪いものではありません。意味も無く表示するのが勿体ないな、ということです。
伝えたい情報を伝えたい相手に効果的に伝えることもできるツールなのです。
ストーリー性をもたせる
伝えたい商品や設備等の優位性や歴史等を伝えるのであれば、表示する画像にコピーも含ませるといいでしょう。閲覧者の好きなように意味をとらえてもらうのではなく、何を言っているのかということを限定するのです。
紙芝居ではないので、1枚1枚の繋がりがバラバラでもそれほど気にすることはないでしょう。むしろ、1枚ごとに完結した内容をグサっと表明してしまいましょう。
スライドショウ1枚ごとに、リンクを付ける
画像1枚ごとに言いたいことが決定できれば、その続きや詳説ページがあることでしょう。または購入や予約に至るための前ページがあることでしょう。無いなら作りましょう。そこへリンクしておくと、デカい画像を見てキャッチコピーを見てグッときた閲覧者は、次のページに進みやすくなります。
次ページを開くキッカケを提供して、うまく誘導するのです。
デカい画像を見てグッときたのに、その情報がどこにあるのかパッとわからないのでは、閲覧者は何を見たかったのかということすら忘れてしまいいきなり迷子です。迷子になると閲覧を諦めて画面を閉じてしまいます。
次の画像があることを示すナビゲーション
「ここに情報があるかも?」と思った閲覧者は、次に何が表示されるのかうずうずします。でも余裕あるゆったりしたスライドショウでは待ちきれなくなります。
何点表示されるのかもわからず、次の表示まで4秒後……となると、閲覧を諦めるヒトもいます。かといって、1表示が1秒以下では意味がわかりません。そこを逃さないためには、閲覧者のタイミングで次の画像を表示するリンク(ボタン)があると親切です。
ペラペラめくって一通り眺めてから、目的のページへのリンクがあるかどうか吟味するという見方もありますし、紙媒体だったらだいたいそうやって見てますよね?
ただのスライドショウならJavascript等で
iPhoneで見ようと思えば、Flashなどもちろん走るわけもなく、ただ広い空間があるだけ。これはもしかしたら新しいAndroidなんかでも同様かもしれません。
スライドショウくらいのことでしたら、モバイル端末でも動くJavascriptで解決できます。ゼロからごりごり書いてもいいですし、無料で自由に使えるプラグインはネットにたくさん落っこちています。
どうしてもJavascriptでは解決できないような複雑な構造の動画だからFlashじゃなきゃだめだ、ということでしたら、せめて代替画像を表示するとか、巨大な隙間が空かないように詰めるとかしなければなりませんが、それよりもJavascriptで表現できる内容に改めることも候補としてみてください。
HOMEに意味のない大きな空間がぽっかりあいているのは、正面玄関脇のショウウィンドウがいつみてもカラッポなのと同じくらいもったいないです。
HOMEのアイキャッチの画像は、何のために?
ただページのデザインを落ち着かせるためだけ、ということならば、今すぐに考えを改めてください。わざわざHOMEのアイキャッチ画像をしげしげ眺めてくださるのは、新規の見込み客であることが多いのではないでしょうか?
旧知の仲でも1度くらいは見るかも知れませんが、ただ見てるだけです。
見込み客は、まだその商品や設備を詳しく知らないので、よく知りたいからサイトを見に来ます。よく知りたいから見ているのに意味のないスライドショウがぺらぺら表示されていてはお互いに時間の無駄です。
しかし、そこに強力なコピーと有効なリンクがあったらどうですか? 自分が知りたい内容に近ければ、ちょっとクリックしてみたくなりますよね。面積を占有させる画像には伝える力があるので、意味を与え、閲覧者を次のページへ導くことができるのです。
もしかしてケータイ専用サイトを作ろうとか?
Flashダメだ、やめろ、ってうるせーな、ケータイサイトを作るほどのもんじゃないんだよ。
「予算の都合でケータイサイトを作れない」というのは間違いです。ケータイ専用サイトは不要というアンケート結果もあるくらい、そこはこだわりどころではないようです。今のところ。
スマホとタブレット端末が普及したことで、従来型のフィーチャーフォンで情報を得ようという割合もぐっと減りました。インターネットに接続して情報を探すモバイル端末は、スマホかタブレットなのです。
スマホ・タブレットは、画面が小さいものの、今まで通りのウェブサイトもほぼ完全に表示できます。むしろ、古いInternet Explorerを使い続けるよりもちゃんとしていると言えます。ですので、中途半端なスマホサイトを作るくらいでしたら何もしない、ということをグーグルも勧めています。
古いブラウザのことを考える力配分を、新しい端末のことを考えることに振り分けてみてはいかがでしょうか。
大事なことなので、もう一度まとめ
- Flashやめて、Javascriptで何とかなりませんか
- スライド1枚ずつにメッセージを伝えるストーリー性を持たせた表現で
- 訴求内容に合ったページへのリンクで、閲覧者を迷わせない