とある住宅団地の真ん中に、案内看板が立っていた。もともと昭和30年代にできた、似たような四角いいわゆる公団住宅「団地」が50棟以上も建っていたのだが、老朽化により全部取り壊され、新しく建て替えられたのだ。
一部が赤羽台団地として戻り入居を含めた入居が始まっています。一部は工事中で、さらにUR賃貸のちょっと高級なヌーヴェル赤羽台もすでに入居しています。
その「赤羽台団地」と「ヌーヴェル赤羽台」が立ち並ぶ様子をガイドする看板です。
わざとモノクロにしたわけではありません。日暮れ頃に撮っただけでちゃんとしたカラー写真です。黒がヌーヴェル赤羽台。グレーが赤羽台団地。色だけではわかりづらいと判断したのか、黒いヌーヴェル赤羽台の方はセリフ、赤羽台団地の方はサンセリフになっていて、書体でも違いを付けたように見て取れました。
では実際の図はどうなっているかというと、これだ!
……。
すべての数字がセリフになっていました。たまたまヌーヴェル赤羽台の区画だけ撮ったんじゃねーの? という疑問にお答えするために、全体はこんな。
どうやら、黒くて太いのがヌーヴェル赤羽台、細長いのが赤羽台団地のようです。しかし、書体は同じで色のコントラストが低いこの図で、直感的に理解できる層はかなり少ないのではないかと思われます。
この頃のプロダクトデザインもグラフィックデザインも、「わからねー方が悪い」という態度なのか、直感的にわからないものが多いように感じられます。そのため、後からステッカーを付け足したり、ホームセンターで買ってきた何かを貼り付けたりしなければならないことが往々にしてあるのです。
見た目の美しさが必要ないということではありませんが、芸術作品ではないので「機能的である」というエレガントも忘れずにデザインしなければなりませんね。。