形の意味などを全く無視して、設置者の意図通りに伝わらないことを嘆くのはいけませんね。
いったいこれの何が問題なのか考えていきましょう。
1. スイッチが非常ボタンの姿をしていない
ほぼこれに尽きると言っていいくらいではないでしょうか。非常ボタンならば、
- 赤い大きな押しやすいスイッチで
- できれば黄色枠またはトラ枠に収まっていて
- さらに可能ならSOSと朱書き
などという、非常ボタンなりのスタイルであることが重要かと思います。ちょっと暗いから押せば灯りが点くんじゃないか? と思わせるような、普通な見かけのスイッチを設置すれば、その設置意図と関係無く押されちゃっても文句言えませんね。
2. 警告表示の文字が頭に入らない
わざわざA4サイズくらいの貼り紙をしていても、これを見て、パッと意味が通じませんね……。なぜかというと
- 文字が多すぎる
- すべてが同じ「赤く」「太く」「大きく」書かれているので重要項目がよくわからない
この手の表示の決裁をするお偉い様は、すべてが重要なんだからすべて赤く太く大きく書かれていないと気が済まないという信念なので厄介だ。丁寧に詳しく説明してあればイツガナビオウケイとか思い込んでいるヒトを説得するのは面倒なので、ご担当もはいはいわかりましたと、赤く太く大きく書き、利用者のことなんか忘れてしまいがちです。
重要なことだけを簡潔に書くべき
どうでもいい時に押されて頭にきている様子はわかります。しかし「非常時以外は押すな」というよりも、むしろ反対に「非常の時にこれを押せ」の方が重要です。そしてその手の表示はJISやらISOやら規格があるのでそれを使うと作りやすいし、見る方も見なれていて直感的に行動することができるでしょう。
どうあるべきか
完全な理想型とは言いませんが、フォトPとしてこのような形を提案します。
- 「ダメだ」の禁止宣言は不要
- 何のためのスイッチなのか、簡潔に明示
- 緊急スイッチなので、緊急スイッチであるとわかるスタイルのスイッチを採用
たったのこれだけです。また、緊急ボタンのピクトは国際規格かどうかよくわかりませんがすでにJIS(日本工業規格)にはなっているので、気に入る気に入らないよりもパッと見てすぐわかるパターン化されている図柄を採用するのがたいへんよろしいでしょう。