東海道新幹線N700系のグリーン車近くの広いトイレがこんなんだった。N700にも種類があるそうですが詳しくわからずすみません。
画像右下が座る便器で、座った位置から右側の壁にトイペといろいろなスイッチがあれでもないこれでもないと取ッ散らかっている。
- トイペはいちばん手が届きそうなところにあって、当然。
- なぜかその右隣には扉開閉ボタン。
- トイペ上部にはウォシュレット®的なお尻等洗浄スイッチ。
- その右隣にして扉開閉の上に乗務員連絡ボタン。
- お尻等洗浄の左隣で便座からもっとも遠い位置に水洗ボタン。
機能をひとまとめにしようと頑張りすぎ
トイレはトイレとして、メインはお尻等洗浄スイッチパネルとトイペだろう。
- いたして、
- 洗って(拭いて)、
- 流し出す
それらをひとまとめに配置するのはごく自然なことだ。
そこにまとめられた、身体障害者も使いやすい自動扉の開閉ボタンは、トイレの本分とはちょっと違う話だ。便座から手の届くところにある必要性についてよく理解できない。だが、扉の脇と手洗い横と便座横と複数箇所に設置してあるのは、きっと様々な立場からの観点から必要がありこうなっているのだろう。でも距離感がトイレスイッチ類と近すぎる。開閉ボタンがデカくてゴツくて目立ちすぎ。
また、トイレ個室は監視カメラを設置するわけにもいかない。かといって利用者個人の手に負えない緊急時には外の誰かを呼ばねばならず、どこかに緊急スイッチは必要だ。でも、このスイッチも、とくにスペシャル感無く、均等に整然と配置されてる。だから何のスイッチなのかは説明書きを読んでみなければ全く理解できない。
何もかもがきちんとしすぎていて、そのせいで直感的に理解することが難しくなっている。
総合的なデザインが必要
まずトイレスイッチ類は、これで仕方ないでしょう。「流す」スイッチの見た目についてはまだこの先も長い研究が必要だろう。壁から飛び出た形状であれば、手に力が入らない人にも押しやすそうに感じるが、それをするのはまだ後の段階かも。
トイレスイッチと並ぶ扉開閉ボタンは、おそらく設置位置もスイッチ形状もユニバーサルデザインなのだろう。このゴツさ、指先が不自由でも拳や肘などでも使いやすそう。だから形状も位置も動かすのが適当ではないというならば、他のスイッチと「一線を画す」のがよかろう。どうやって分け隔てるかというと、視覚的に遠ざけるしかない。
さらに厄介なのが「連絡ボタン」。連絡とはなんぞや? たとえば介助が必要な人に対し「済んだら連絡してくださいねー」ではないはずだ。介助が必要なのにこんな位置のこんな小さいボタンで合図できるとはちょっと考えられない。「紙がない」とか「連絡」するのも違うような気がする。総合的に考えると、非常連絡「SOS」なのではないか。直ちに運行を停止するという意味の非常ではないが、誰かがすっ飛んでくる非常連絡手段なのだろう。
例えば、機能ごとに色分けして整理してみた
トイレ機能はブルー系の背景を配してひとまとめ。「連絡」はもしSOSならばSOSであるべき形状のスイッチにして「SOS」のISO形式の表示。このように、機能ごとに色分けして一線を画すことで、注目すべき位置が限定されるので使いやすくなるものと思う。
東北新幹線E5系デビューで、流すところをまちがえてSOSしてしまった(こりゃ、間違えて非常ボタン押すだろ! な新幹線E5系トイレのスイッチ配置)という頃から、たいして進化していない。真剣に考えられていない。または予算確保できないのかな……。
【リンク】JR東海 N700