さすがに昭和の頃までは知らないが、平成に改元された頃にはすでにFAXで出回っていた【当たり屋情報】。三十数年前には自動車交通関係の仕事をしていたので、事務所の壁に貼り出されたことも記憶している。
すでにその頃から当たり屋情報FAXは偽情報であることが社会的に認知されていた。
令和なんだけど、久しぶりに
うちもFAXは廃止してしまったのでこの手の情報が来なかったが、FAXを撮影したJPEGデータがLINEで送られてきた。知らない人からではない。友人からだ。
久しぶりだな! と思って画像を開いてみた。
(°0°)了
紙ベースなのがホンモノっぽい
この度の当たり屋情報プチ流行をネットで見てみたところ、数年前から現在に至る直近では「イマドキ紙を撮影して」と見下すような論調が見られる。ほんと、それ。
今は令和なのだが、行政関連団体とのお付き合いから感じるのは、そこがやけにリアルʬʬʬ テキストを受け取るのに、ワープロで入力してプリントアウトしてとりまとめ役にFAXしたものが再スキャンされてメールで送られてくる。本当です。写真も家庭用プリンタで縞々に出力してとりまとめ役に手渡されたものが郵送されてくる。
だから、FAXを撮影してネットで拡散っていうのが、さもありなんという感じがして、ホンモノかも? と瞬間的に思わないこともない。
その情報は昭和のままか? という情報の古さ
今は令和なのだが、分類番号はすべて2桁。平成17年(2005) からは3桁となり20年ほど経過して、現在では2桁ナンバーはすっかり見かけなくなった。それでもリストには2桁ばかりということは、製造から20年以上の車両ばかりが対象であるという意味だ。
ブルーバードとか、憶えてる人います? 日産ブルーバードは、平成13年(2001) に生産が終了。走っているならば、ぜひ近付いて眺めてみたい。うっかり近付くと、相手は当たり屋かもしれないのだ。
発信者名が無ければ、問い合わせ先も無い
今は令和なのだが、これだけの情報を発信しているのに、誰が言い出しっぺなのか無いのも昭和のまま。いつの情報なのか不明。だれに詳細を確認したらいいかもわからないし、そもそもいつどこで事件が起きているのかという一例すら無い。普通に考えれば該当車両の増減だってあるはずなのにアップデイトの確認すらできない。
なんだけど、受け取った方は「うちの地域にも当たり屋軍団が来た!」とメッセージを添えたりします。思い込みです。
こんなリスト憶えられるわけがない
今は令和なのだが、「このリストを携帯せよ」とあっても、リストをいちいち見比べられないし、もちろん33台分も暗記できない。さらに書いてない分が他に51台。全部で84台だという。QRコードで簡単に検索できるわけでもない。それって本当に役に立つリスト? これを信用しろと?
信用してるかどうかわからないけど、何となく拡散している人が少なくなくなくない。たぶん内容を見ていないんだと思います。見てないから「山口39 61-84 クラウン」とかそういう情報を「ひらがなどうしたんだ?」とか「分類番号2桁?」とか思うことなくスルッと拡散できるんだと思います。
ヒトは信じたいものしか信じないが、信じたいものは信じがち
東日本大震災あたりには
- 脊髄反射的に転送するというのはもうやめにしよう、
- 一呼吸置いてそれは正しい情報なのか2次ソースを確認しよう、
そういう流れになったのだと思っていた。しかしそうでもないみたい。多くは、右から左にただ拡散する。酷いのは、組織の署名を追加したりして信頼度を向上させ拡散する。さらに酷いのは、表組み部分だけを切り取って拡散しているというのも散見される。
これを何と呼べばよいのかわからないが、この手の現象は繰り返し発現している。当たり屋情報に限らず、ちょいちょい見かける。記憶にあるのは、「虚構新聞」的な書き込みをあたかも本当のことのように拡散し、後からそれを指摘されるとまぎらわしいことを書いたやつが悪いと逆ギレするというオチだ。
今は令和なのだが、ちょっと調べれば事実でないだろうということはすぐにわかるのに、拡散前に確認しないのだ。
この辺は、ネットリテラシーの問題だけではなく、ネット以前からも起こっていた事ではある。ネット時代になり、嘘も真も瞬時に拡散されることを考えると、嘘を嘘と見抜く習慣をつけるというようなことは学校教育の基本的な指導要領に含めてもよいのではないか、とさえ思う。とくに日本では宗教による行動規範が無いし、家庭の問題では済まないからだ。
- Yahoo! ニュース SNS拡散「計84台、当たり屋グループ被害続出」警察に確認すると…デマ 怪情報の正体は?
- 福島大学行政社会学部 社会心理学研究室流言研究グループ
- 偽当たり屋情報リツイートさんがリツイート
この世に当たり屋がいないわけではないので自衛は必要
当たり屋怪文書を全面否定しますが、当たり屋がいないわけではない。意図的な当たり屋はだいぶ少ないかもしれないが、相手の過失によって突っ込まれる突っ込まれることなんていくらでもある。そんな時に困らないよう、ドラレコなどで状況を記録しておくことは有効。ここ数年で煽り運転等が摘発されやすくなったのも、ドラレコ画像があってこそなのだろう。