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強力与党の世襲議員が持つ力


令和6年(2024) 2月に行われた前橋市長選挙において、自民王国グンマー県の県都にもかかわらず、連合系候補が1.3倍もの得票を得て自民党候補を破り当選した。投票率39.39%。前回投票とほぼ同じ数の票を得た自民党候補だったが、今回は自民vsその他の一騎打ちとなり、反自民の票がまとまったということも感じられる。(数字は前橋市発表のもの)

さてその自民党敗戦において、地元グンマー県選出の世襲参議院議員の弁がちょっとおもしろかったので、考えてみたい。
世襲議員の弁

▢▢▢氏を応援して頂いた多くの皆様、申し訳ありませんでした。私自身の力不足を痛感しています。

力不足なのは候補者であって、応援世襲議員の力加減はいまひとつ関係無い……はず。ところが、現代の公職選挙においては、政党の力が当落を決める決定的な力となっているのが実情。政策や実績、候補者の個人性などは全く関係無く、政党本支部がこの人と決めたら役員は盲目的にその人物を推し、その圧力に屈した一般ピープルのみなさんは強制と洗脳の中間のような感じで投票してしまうのだ。

これは、今までずっとそうだった。何処の馬の骨ともわからない人物が政党の後押しで落下傘候補として推されれば妄信的に投票し、同じ人物が次の選挙で政党の後ろ盾を失うと箸にも棒にもかからないことになるのだ。このことは、ドキュメンタリー映画「選挙」シリーズを見るとよく描かれている。

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というわけで、普通に考えればズレている世襲議員の言うことも、半分くらいはその通りなのだ。あと半分は何かというと、実際には世襲議員の力のように誰もが感じていても、それはたんなる政党の力でしかない。つまり「私自身の力不足」の半分以上は、「私自身」ではなく政党の力だ。だから個人的な力不足を認識するのは当然としても「自民党の力不足」を受け止めなければならない。

なぜ急にここまで自民党が力を失っているかというと、国会議員のパーティー券売上の裏金化問題、平たく言うなら億単位のマネーロンダリングの話がちっとも収らないことにある。やってしまったことは取り返せないが、それをどう糺すかというところにリーダーシップを求められるわけだが、党首をはじめ重鎮の誰もがわかったようなわからないような、まるで国会議員のようなトンチンカンな発言を繰り返している。そんなところに政治に対する不信感が高まり、政党の力は弱まっていると言える。

国会においては派閥の問題とすり替えようとしているが、そうではないように、地方においても応援議員の問題として終わらそうとして政党の問題から目を反らしている。アラフォーでまだ若手と言える世襲議員は、問題をまっすぐ見据えないといけない。


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